正確なライディングのスタートは安定した知覚情報から
東海から東日本にかけて甚大な被害をもたらした台風19号
台風が過ぎ去り
平穏な日がありがたい事であることを感じます。
ワンナップライディング2019の12回目は台風19号が過ぎ去り、雨脚の落ち着いた中で開催することが出来ました。
暴風、豪雨は落ち着いたものの雨が降ったり止んだりと終日濡れた路面でのレッスン
今回の参加者からの目標は
・過去参加から空いた間隔の中での癖、ズレの修正
・止まる・倒す・曲がる の流れを意識して行う
・ブレーキ、アクセルの繋ぎの確認、右コーナーをスムーズに曲がる
をあげて頂きました。
晴れて乾いた路面を見込んで設定した目標ですが、濡れた路面となりどう走れるのか?
雨に対する先入観もあり、走行前から不安を感じる声も聞こえてきます。
ウォーミングアップ走行からコースに移っていくと、参加回数に応じて濡れた路面への得手不得手が顕著に現れてきます。
過去参加時は恐々と走行していたとしても
回数を重ねて積み重ねた結果
濡れた路面であることなど全く感じさせない走り
そこには安全で確実なライディングがありました。
一方で進歩と共に新しい課題が出てきますが
濡れた路面を利用してポジションの探求を進めたり
シート、ステップのバランスを見直したりと
走り始めてしまえば、路面状況は気にならない様子です。
タンデムシートからブレーキ、アクセルなどのタイミング、前後ブレーキの違いなどを体験してもらったり
足で路面を踏むイメージとステップ位置との違いを研究をしたり
個別課題に対して体験、体感しながら走行を進め
午前は軽い転倒もありながら、怪我も無く終了。
午後は各々が具体的に詳細部分の研究に入っていきます。
改めて
基本ポジションの確認や
ブレーキタイミングの研究
前後ブレーキの課題走行
静止状態で通常のポジションのみならず、右カーブ、左カーブの状態を確認していくと、ここから左右の差が明らかになってきました。
これらを少しずつ修正をしていく中で、安定感が増してきたようです。
コーナーリングの流れが安定しない状態に対し
身体が本来持っている能力を発揮させるためには
脳が安定した状態
が必要になります。
視覚で得た情報を正確に処理して、身体の次の動作に繋げていく
正確な処理を行う上で、脳の安定が必要になってきます。
人によって異なる頭の微妙な安定的な角度によって、得られる安心が大きな変化をもたらします。
参加者の声
過去参加から空いた間隔の中での癖、ズレの修正を目標に走行しました。
右コーナーで感じていた違和感について、頭部の変化でフォームの安定感が増してきました。コーナー、直線に対して安心感が増して、過去参加の中でも一番の走行距離を記録する事ができました。
止まる・倒す・曲がる の流れを意識して行うことを目標に走行しました。
走り始めはストレスを感じながら走行していたものの、途中でポジションを再確認してからはリラックスして乗車できるようになりました。
その後、目の位置を修正したところで乗車姿勢が一段と楽になりました。
ライン取りやブレーキのポイントなどを修正した事で余裕が出てきました。
ブレーキ、アクセルの繋ぎの確認、右コーナーをスムーズに曲がる事を目標に走行しました。
ブレーキの握り方を工夫したところで、アクセル、ブレーキの繋がりが良くなってきました。右カーブについてはシートポジションの見直しや腕の使い方を見直して楽になってきました。
濡れた路面でも怖さを感じずにコーナーを抜ける事ができるようになりました。
バイクに乗るときのみならず、日常動作も全て動作について司令するのは脳
私たちの五感から脳に安定した情報を伝え
きちんと認識させることは、安心感へと繋がってきます。
皆が同じものを同じように認識しているようで、実は認識の仕方は人によって微妙に異なっている。
僅かな差ではありますが、脳が安定すると身体の安定へと繋がる効果を改めて認識できた1日でした。